こんにちは! 院長の佐藤です。
やっと長かった猛暑が終わり、秋らしくなってきました。
朝晩は肌寒くも感じます。この時期は何を着るか迷ってしまいますね!
私はいまだに半袖だったりしますが(暑がり)、みなさまはいかがでしょうか?
季節の変わり目は体調を崩す方も多いですから、羽織るものを持ち歩くなどお気を付けくださいね。
過ごしやすい秋を思い切り楽しみましょう!
さて、タイトルで収支を公開と銘打っていますが、ちょっと大げさに言ってみました(ごめんなさい)。
当院では保険適用の、CADCAM(キャドキャム)インレー(ハイブリッドレジン)が患者のみなさまに多く選ばれています。
このCADCAM(キャドキャム)インレーの歯科医院の収支を公開したいと思います!
【CADCAM(キャドキャム)インレーとは】
CADCAM(キャドキャム)は、歯科治療に関連する技術の一つです。
セラミックをプラスチック(レジン)の中に混ぜ合わせた、《ハイブリッドレジン》という素材を用いて、歯の修復や詰め物を作る際に使われます。
1. CADCAMの意味
CADCAMは “Computer-Aided Design and Computer-Aided Manufacturing” の略で、コンピューターを使って設計と製造を助ける技術を指します。
つまり、歯の治療や修復にコンピューターを使って手伝ってもらう技術です。
2. インレーとは何か
インレーは、歯の詰め物の一種です。虫歯や歯の欠けた部分を治療するために歯科医師が使用するもので、通常、金属やセラミックなどの材料で作られます。
3. CADCAMを用いたインレー
CADCAMを使用すると、歯科医師は患者の歯に合ったインレーを設計し、コンピューターがその設計に基づいて詰め物を作成します。
つまり、歯科医師はコンピューターを使って、歯にピッタリ合った詰め物をデザインし、それを製造するのに役立つのです。
3. 利点
CADCAMを使用すると、詰め物が非常に精密に作成できます。さらに、治療が迅速に行えるため、患者さまの待ち時間を短縮できます。
簡単に言えば、CADCAMは歯科治療において、コンピューターを使って歯の修復や詰め物を設計し、製造するための技術です。
これにより、精密な治療を受けられ、治療時間も短縮されます。
CADCAM(キャドキャム)インレーは、元は自費診療で高価でしたが、去年4月に診療報酬改定され、保険適応となりました(部位によって色々と条件があります)。
ハイブリッドレジンという素材を用いて、保険で白い歯に出来るので多くの方が選ばれており、当院では8割近くがこちらに置き換わっています。
ただし、以下のようなメリットととデメリットがあります。
【ハイブリッドレジンのメリット】
・見た目が白くできる
・保険対応可能で、安価に利用できる
・以前治療した銀歯を白くしたい場合にも、保険対応で利用できる
・かみ合わせの歯の負担を小さく出来る
・金属を使わないので金属アレルギーでも大丈夫
【ハイブリッドレジンのデメリット】
・銀歯よりも歯を削る量が多い(痛みが出たり、歯の寿命に影響する場合も)
・自費診療のセラミックのみに比べると強度が弱く、咬み合わせの力が強いと割れることがある
・劣化し、変色することがある
・白さが単調で、若干不自然さがある場合も
欠点もありますが、安価に白い歯に出来るのは大きな利点ですね!
保険適用でも、CADCAM(キャドキャム)インレ-は技術が難しく材料代も技工代も高いので、歯科医院にとってメリットはあまり多くないと言われています。
それでは、歯科医院の収支はどうなっているのでしょうか?
通常の保険適用の金パラインレー(金・銀・パラジウムを含んだ保険適用合金のつめ物)と比較してご説明させていただきます!
【大臼歯、金パラインレー(金・銀・パラジウムを含んだ保険適用合金のつめ物)の場合】
☆収入
形成 1,200円
印象 640円
咬合 180円
金パラインレー 9,680円
装着 450円
セメント 170円
合計 12,320円 ・・・A (患者さま負担は1~3割なので1,230~3,690円。治療法によって違いがあります)
★支出
技工料 1,000~1,500円(技工所さんの収益、技工所さんも大変です)
金属料 3,000~6,000円(金パラ1g3,000円として、歯医者の負担、重い・・・)<~~ここに注目!! 近年の金属の高騰で負担は増える一方です。
合計 4,000~7,500円+10%TAX ・・・B(ここには消費税がかかります)
収支(A-B) 約4,000~8,000円(ここから人件費、家賃、光熱費、広告費、その他経費で半分以上引かれる・・・大変です)
【大臼歯 CADCAM(キャドキャム)インレーの場合】(第1大臼歯のみ、第2大臼歯が4本そろっている厳しい条件付き)
☆収入
形成 1,200円
印象 640円
咬合 180円
CADインレー 11,000円
装着 450円
装着加算 450円
セメント 170円
合計 14,090円 ・・・A (患者さま負担は1~3割なので1,410~4,230円。治療法によって違いがあります)
★支出
技工料 6,000円 (材料費約2,000円込み)
合計 6,000円+10%TAX
収支 (A-B) 7,490円(安定してますが・・・条件が厳しい。ただし、歯科用金属アレルギーの診断書があればどの歯も適用できます)
注目点は、支出の部分!
金パラインレーは4,000~7,500円+10%TAXとなっています。
CADCAM(キャドキャム)インレーは6,000円+10%TAXです。
通常使用される金・銀・パラジウムを含んだ保険適用合金(金パラ)は、相場によって大きく値段が変わります。
近年、金の高騰で、値段が上がってしまいました。
CADインレーは当院では技工所さんに材料費用込みでお願いしており、安定した支出額になっています。
さて、結論から言うと、CADCAM(キャドキャム)インレ-のほうが通常の保険診療よりも安定して収支が良好でした!
CADCAM(キャドキャム)インレ-は歯科医院にとってメリットがないと言われていましたが、実はそうでもなかったのですね。
もちろん、金属の値段次第で変わってしまう可能性はあります。
保険診療で、材料代に左右されない、安定した収支であれば安心できます。
CADCAM(キャドキャム)診療の保険適用のため、当院ではいわゆる銀歯を使った詰め物の診療はだいぶ減ってきています。
保険対応で歯を白くできるのは患者さまにとっても良いことです!
いかがでしたでしょうか?
今回は少しいつもと違った内容のブログになりました。
こうした細かい診療の金額を記載したのは初めてですが、あらためて自分でも確認ができました。
少しでも参考になれば幸いです。
それでは、みなさまのご来院をお待ちしております!
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